記者説明用資料

  • (1)平成16年11月、横浜市衛生局はこのセンターをリハビリ重点施設にする方針を打ち出し、これに対してセンターの患者はもちろん、市民、有識者から強い 反対の声があがりました。私達も平成17年3月「脳卒中から助かる会」を結成して、今回の署名運動を始めました。
      なぜなら、脳卒中医療は最初の数時間が勝負と言われ、手遅れのない良質の治療には毎日24時間MRIを含む高度の機器が稼働し、脳卒中専門の医師が常時現場に待機 する救急体制を必要とする。しかし、横浜市にはセンター以外これが出来る病院は全く無い。近い将来出来る見通しもありません。
      その後昨年12月に横浜市は同センターが「引き続き急性期医療を提供」するとの方針を発表し、市会もこれを承認。長期間にわたる不安と混迷の後、ようやく センターの救急、急性期医療存続の方向性が確認されました。 
      しかし現在、センターの専任医師は昨年3月以降4割も減って、横浜市唯一の、専門の医師とMRI等による24時間救急体制も隔週の土、日、休日は停止。麻酔医は 皆無となって他の病院の協力なしには手術が出来ません。

    (2)今回センターの救急、急性期医療維持の方向性が決まったことにより、脳卒中専門病院としての本格的充実、再生を改めて要望します。それは今後の国全体の 脳卒中医療の方向性とも合致したものです。
      脳卒中医療の大きな進歩により、良質な急性期医療で救命と後遺症軽減の可能性が激増した事を受け、厚生労働省は平成16年、毎日24時間脳卒中の最新治療を 行う救急体制を全国に整備するための研究班を設置しました。センターはこの研究班の5箇所の指導的中核病院の一つで、横浜市が300億をかけた施設と、センターの 優れた医師団が全国のモデルの一つとされたためです。
      これからは、市長が先頭に立って、市長の責任において、センターの充実と再生をしっかり実現することが必要です。

    (3)充実と言っても、医師の人数が揃えばよいわけではなく、能力ある医師、優秀な医師が必要です。医療技術と医療機器、医薬が急速に進歩した結果、医師の能力 の重みが格段に増しました。
      センターの神経内科は十数人という規模も能力も全国的に高く評価され、センターの急性期医療の中心です。昨年3月から10月までに13人の内5人減りました が、その中に畑、松岡両先生が含まれていたのは大変な損失でした。
      昨年10月脳梗塞の強力な特効薬t-PAが解禁されましたが、この治験にあたって全国最高水準の成果を得て貢献をされたのはこのお二人でした。また、前記厚生労 働省研究班にセンターを代表して参画されたのもこのお二人です。
      現在でもセンターの神経内科は(例外者を除いて)水準が高く、中でも植田先生は全国でもわずか数十人、横浜市では唯一人の血管内治療学会認定の指導医で、 神奈川県全体のt-PA使用指導の責任者です。 神経内科については、現在のスタフを大切にし、畑、松岡の両先生に少しでも早く帰任して頂くことが必要です。 これにより、熱心で優秀な医師が指導を求めて全国から来任することが期待されます。

    (4)脳神経外科については、脳卒中専門病院としては規模が小さく、医療水準も低いと指摘されていました。実際、以前はセンターとしては例外的に一つの医局から のメンバーが固定し、ルール違反の手術で事故を連発し、今は殆どがセンターを去りました。今後は優れた医師を広く求めることが特に重要です。
      内科は概ね4、5人でしたが昨年4月からは唯一人。脳卒中と関係が深い循環器専門の医師は0。麻酔科は現在0。自力では手術も出来ません。常識では考えられ ない事態であり、福島センター長と、岩崎病院経営局長は直ちに責任能力のある人間と交代させることが必要です。(福島センター長は1月末で辞任したとのこと)

    (5)平成15年、センターとしては例外的な、能力もモラルも欠ける脳神経外科医などがルール違反の手術で2件の事故を起こし、今も新聞を賑わしています。 センターの画期的な医療能力とこれまでの功績を考えると、センターが事故ばかりで有名になるのは、全く痛恨の思いです。これは事故について衛生局 (今は病院経営局)とセンターの管理部門が様々の小細工を弄して隠し、責任を逃れ続け、それが今も続いているためです。
      直接の被害者でない患者の立場から見ても、このような事態がうやむやにされるのは危険極まりないことです。何故最初から事件の全貌を進んで明らかにし、 取るべき責任を取り、再発防止に必要な措置を取らなかったのか?
      当事者と当局はこの事を今からでも正直に実行して頂きたい。

    (6)最後に疑問点。横浜市は税金の使い道に余程困って居るのかということ。
      三つしかない市立病院の内、全国でも名高い脳卒中専門病院を潰そうとして失敗した73歳が横浜市病院経営局長で居続けていること。
      医療事故について市会で嘘を並べてやめさせられた元センター長と、在任中多数の医師を去らせてセンターを破綻させ、一年でやめた消化器外科医の前センター長の 2人が、何と脳血管医療センターの担当理事を務めるとは。
      横浜市民はこのような者の為に税金を払わねばならないのでしょうか。